皆伐地を歩いて思ったこと/「恒続林思想」を提唱したメーラーが生きていたら…

森林政策に関する雑記
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ある皆伐地を見学した際、早速イバラに襲われた。
イバラとは、トゲのある低木の総称である。

「イバラの道を行く」と聞けば、困難な道を突き進む勇敢さを感じなくもないが…。
イバラは私の上着の袖をザクリ。トゲを抜こうとすれば手袋の上からでもザクリ。
これが、イバラである。

イバラ

皆伐地に蔓延??

ドイツの林学者、アルフレート・メーラーは、皆伐施業をすることで「森林植物の育成を阻害する雑草・イバラ・コケモモおよびヒースなど」の蔓延につながると、著書「恒続(こうぞく)林思想」で指摘している。
さらにメーラーは、林木を全て刈り取る皆伐を「全造林の意義に反する」として否定する。

ちなみに、彼が提唱する「恒続林」とは、皆伐の対局にあると言える。
「恒続林」は、様々な樹種が生える森林を想定する。人々はその森から必要に応じて樹木を切り出し、皆伐は決して行わない。

「恒続林」の対局にいる日本

一方で戦後日本が続ける林野政策は、「恒続林」と真逆の思想に立っている。スギやヒノキの単一林を作り上げ、盛んに「木材増産」を叫び皆伐施業を行う。はげ山にはまたスギ・ヒノキが植えられ、これがあたかも「森林の循環利用」であるかのようにされている。

最も健全で最も美しい森林は最良質の木材を最多量に供給する」。このような至言を残したメーラが生きていたら、今の日本の林野政策をどのように評価するだろうか??
とにかく、イバラの道は歩きたくない。

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