高知と岐阜。森林率全国1位・2位の「林業大学校」を比較

森林政策に関する考察と雑記
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日本では林業の担い手不足が課題となるなか、新規就業者を育成・確保するための「林業大学校」なるものの設立が進んでいる。
今回は、森林率84%で全国1位の高知県と、81%で2位の岐阜県にある「林業大学校」を比較しながら紹介する。

歴史が古いのは岐阜県

森林率1位の高知県では、2015年4月に「高知県立林業学校」が開校。その後、専攻課程を加えて2018年4月に2年制の「高知県立林業学校」となった。
ちなみに、校長を務めるのは木造建築で有名な隈研吾さん。

一方の岐阜県は高知県よりも歴史が古く、2001年に「岐阜県立森林文化アカデミー」が開校した。このアカデミーの前身は1971年に開校した岐阜県林業短期大学校ということなので、トータルでみると50年近い歴史を持つようだ。
こちらの学長は造園家の涌井史郎(雅之)さん。

高知、岐阜はいずれも2年制だけど…

高知の場合は、基礎課程(1年)と専攻課程(1年)がある。基礎課程はチェーンソーやユンボなどの操作方法を学び、12の資格が取得できるらしい。生徒は基礎課程修了後に就職する人もいれば、その後専攻課程に進む人もいる。
専攻課程では、①森林管理 ②林業技術 ③木造設計 の3コースの中から選択する。専攻課程は、大学などで林業を学んだことがある人であれば基礎課程を経ずに入学できるようだ。

岐阜は、高校卒業程度の人が対象の「森と木のエンジニア科」(2年)と、大学卒業程度または実務経験者の人が対象の「森と木のクリエーター科」(2年)に分かれる。「エンジニア科」の内容は高知の基礎課程とほぼ変わらなそう。
「クリエーター科」は、①林業専攻 ②森林環境教育専攻 ③木造建築専攻 ④木工専攻の4コースに分かれる。高知よりも1コース多い。

さらに岐阜の方は「エンジニア科」「クリエーター科」ともに2年間学ぶことができ、特に「クリエーター科」では取得できる資格が豊富。高知の場合は大学校のホームページを見た限りでは専攻課程でどのような資格が得られるのかはよく分からなかった。

岐阜は学びが多い分、授業料高い?

そして、気になるのが授業料だ。

高知の場合、基礎課程、専攻課程ともに1年間の研修料は11万8800円。これに教科書や作業着などの購入費20万円ほどが必要になるといい、年額では合計30万円程度の費用がいりそうだ。

岐阜の場合も、「森と木のエンジニア科」であれば年額30万円程度が必要ということが「授業料・修学経費の目安」のページに書いてある。さらに「森と木のクリエーター科」に進むと年額50万~70万円が必要になるという。
やはり、学ぶという行為にはそれだけの投資がいるのだろう。

支援制度

林業大学校などに進学を考えた人であれば知っている人も多いだろうが、「緑の青年就業準備給付金」という支援制度がある。

この給付金は、林業就業希望者1人当たり年間最大150万円の給付を2年間受けることができるというもの。給付を受けるには一定の用件があるので林野庁HPなどを参照されたい。
ただし、この給付金を受けた後、林業関係の仕事に携わらなければ給付金の返還を求められる。

さらに高知県の場合は国費150万円に県費を追加しているため年間最大165万円の給付が受けられるという。しかし、大学校卒業後に高知県内で一定期間就業しなければ県費分(30万円程度)の返還を迫られるという。

岐阜の場合は県費を投入していないため、森林文化アカデミー卒業後に日本国内で就業すればいいという。

まとめ

以上、高知県と岐阜県にある「林業大学校」について見てきた。学校の内容を調べる上で2校のHPを参考にしたが、その仕上がりは森林文化アカデミー(岐阜県)の方が充実していた。また、授業の内容も豊富だと感じた。

高知県の場合、給付金額が岐阜よりも高かったが、高知県内での就業が求められている点は窮屈さを感じる。岐阜ではそういった縛りはない。

授業料の面では岐阜の場合、「クリエーター科」に入るとそれなりに必要になるが、「学ぶ」ための必要経費ではある。

これらのことを総合的に考えると、森林率1位と2位の「林業大学校」の充実度は、歴史が長い岐阜県の森林文化アカデミーに軍配が上がった感がある。
林業就業をお考えの方に参考になったでしょうか。以下に両校のHPリンクを貼っておきます。

高知県立林業大学校
公式ホームページ
岐阜県立森林文化アカデミー
岐阜県立森林文化アカデミーは森や木に関わる生き方をめざす人のための専門学校です

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