先日、「ヒロシ、山を買う!」というネット記事を見かけた。
内容は、芸人のヒロシがソロキャンプを楽しむために山林を購入するに至った経緯を語るというもの。
この記事を読んで、ドイツなどで認められている「市民が森を自由に歩き回る権利」について考えてしまった。
日本では「不法侵入」。ドイツだと・・・?
芸人ヒロシは記事中、山を買う過程で生じた悩みの一つをこう述べている。
例えば山の上の見晴らしのいい土地を買ったとするじゃないですか。でも、そこに行くには麓(ふもと)から林道を登っていかなければいけないんです。すると、その道は他人の土地だったりするし、無断で通れば不法侵入ですよね
他人の土地に無許可で立ち入れば確かに、「不法侵入」となってしまうのだろう。だが、このフレーズを読んで世知辛さを感じた。
というのも、森林ジャーナリストの田中淳夫氏が著書「森と日本人の1500年」の中で、ドイツなどでは「市民が森を自由に歩き回る権利」が保証されていると記していたな、と思い出したからだった。以下引用する。
紆余曲折を経て、ドイツ森林法では「市民が森を自由に歩き回る権利」を保証するまでになる。1852年のことだ。
(中略)森への自由権は、ヨーロッパ各国に広がった。人は生まれながらに森に関わる権利を持つという認識は、普遍的になったのだ。
ドイツでは森を歩き回るだけでなく、山菜やキノコを採ることも認められているという。
何ともおおらかな国だと思う。
一方、日本では森林の所有権が過剰なまでに保護されているとも感じる。
さらに近年では森林の所有者不明化といった問題が生じ、より一層市民が山に入りづらい状況が続いている。
久しぶりに見かけた芸人ヒロシのつぶやきは、日本人の土地に対する所有権の意識と、欧州に広がる「森を自由に歩き回る権利」について考えさせられるものだった。
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