【コラム】「ヤマキタ森林ベンチャー」の行方

コラム山北町情報
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2021年の暮れごろだったろうか。
ヤマキタ森林ベンチャー」という社名をSNSで見かけるようになったのは。

インターネット上での情報だったが、同社は神奈川県山北町外の若者数人が立ち上げた株式会社で、町が有する広大な森林を活かして地域おこしに取り組もうとしている様子がうかがえた。

この度、同町の湯川裕司町長へのインタビューが実現し、「森林ベンチャー」の概要をつかむことができた。
同社は、ふるさと納税のポータルサイトである「ふるさとチョイス」と「ふるなび」を活用し、町の返礼品をPR。得られた寄付額の1割弱程度の金額を活動の「原資」にできる。町との契約は2021年12月からで、これまでに得られた「原資」は200万円ほどだという。(その後、委託料は寄付額の15%で、2021年度は390万円が支払われていたことが分かった)

今後は休館中の町立施設をリノベーションして「森の託児所」として活用し、都会の子どもたちを招いて宿泊してもらう企画も温めているようだ。

言わずもがな、町がふるさと納税で得た寄付金は税金だ。
税金の執行には当然町議会のチェックの目が光る、はずだが不思議なことに町議会定例会の一般質問で「森林ベンチャー」に関する質問をこれまで一度も聞いたことがない。

本来ならば、町と同社がこのような契約を結ぶまでに至った経緯をつまびらかにする必要があるだろう。
今後、ふるさと納税の寄付額が増えれば当然、「森林ベンチャー」が得られる原資も増額される。その税金の使途の明確化は必要不可欠だし、既に得ている200万円程度の原資の使い道もオープンにすべき情報だ。

町議会一般質問で「森林ベンチャー」について話題に上らないという時点で既に〝箝口令〟が敷かれているのか、との疑念すら湧く。
税金の使途の透明性が担保されないのであれば、彼らの「山北町を盛り上げたい」という思いに対しても町民からの疑義が生じかねない。

疑念と疑義を積み重ねてしまっては、「森林ベンチャー」の行方はおぼつかない。

コメント

  1. にゃあ より:

    私たちの懸念をまさにコラムにして発表頂き、ありがとうございます!

    先日コメントで申し上げた通り、町役場の方のツイッターでヤマキタ森林ベンチャーについて知ったものの、町議員さんたちにお聞きしても詳細は不明。会社の本社住所を見ても、こんなところに本社?というような森の中。HPの会社メンバーを見ても、明らかに町民ではないような方々の写真。

    どのような経緯で、この会社に決めたのか、相見積もりや稟議はきちんとなされているか、町としての説明をしていただきたいと思いました。1割、大きなお金です。

    同じように、外部のコンサルタントをお願いし、人口700名ながら観光客の誘致やメディア露出に成功した、山梨県の小菅村に行ったことがあります。そのコンサルタントの方の本を読むと、町方々への根回しに気を配られた、とありました。町民とコンサルタントともに協力しあって初めて成功への道が拓けると思います。今後の動向を期待します。

    • yama-mori-journal より:

      コメントありがとうございます!
      外部からの視点も大事ですが、町民が納得して協力できる体制が築けなければ物事は進まないし、そんなに簡単なことではないですよね…。
      いずれにしても、良い方向に物事が進めばいいのですが…。

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