【2027年度「山北駅」駅舎建て替えへ】湯川町長「町として整備を検討」/「鉄道の町」の玄関口新装/町議会一般質問で明らかに

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かつて「鉄道の町」として栄えた神奈川県山北町。その中心部にあるJR御殿場線「山北駅」について、JR東海が2027年度に駅舎の建て替えを予定していることが、3月4日分かった。同日開会した町議会定例会の一般質問で湯川裕司町長が明らかにした。
同年度には新東名高速道路の山北スマートインターチェンジの開通も予定されており、車と鉄道の〝玄関口〟が同時期に新装されることになる。
ただ、JR東海は建て替えの規模を「小規模なもの」と説明し、現在併設されている公衆トイレも撤去する方針といい、湯川町長は「町の玄関口である駅舎を小規模なものにするのは望ましくない。町として駅舎整備を担うことも考えないといけない」として、JR東海と連携して新たな駅舎を建設する方針を示した。瀬戸恵津子議員の質問に答えた。

「特産品を買える施設も」

2027年度に建て替えが予定されているJR「山北駅」の駅舎

山北駅は、明治22(1889)年に東海道線の開通と同時に開業。駅には「箱根越え」の基地駅として機関庫が設置され、一時は総勢700人の鉄道関係者が働いていたといい、山北町は「鉄道の町」として栄えた。だが昭和9(1934)年に丹那トンネルが開通すると、東海道本線のルート変更により山北駅はローカル線の「御殿場線」になり利用客は減少。
かつてのにぎわいは影を潜めたが、町では全国で唯一動く「D52型蒸気機関車」(デゴニ)を保存するなど集客に努めている。

この日の一般質問で、湯川町長は今年1月に要望活動でJR東海静岡支社を訪れた際、2027年度に駅舎の建て替えを予定していると説明を受けたと明かした。
ただ、同社は「利用状況に応じて小規模の建て替えとし、トイレは併設しない」という方針を示したといい、湯川町長は「『鉄道の町』の玄関口を同社の考えに同調し、小規模なものにするのは望ましくなく、町として駅舎整備を担うことも考えないといけない」と答弁。
また、駅舎の将来像については「町の特産品などを買える施設を併設し、トイレの整備も検討したい」と話した。

だが、駅舎建て替えに関するJR東海との具体的な協議はこれから。町と隣接する静岡県小山町では、JR「足柄駅」の駅舎建て替えに際して同町が役場支所を併設した事例があり、「小山町を参考に、山北町でもできないか考えている」としている。

山北町企画総務課によると、現時点では駅舎建て替えに関する予算は計上はされていないという。

その他の質問

このほか5人が一般質問に立ち、公共施設の維持管理や防災対策、足柄上地域1市5町によるゴミ処理施設の広域化などについて論戦が交わされた。

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