2019年2月、森林ボランティア活動で〝事件〟は起きた。
この日も運動公園内の雑木林整備に参加させてもらっていた。
伐倒するのはシイの木。前回の森林整備でもシイの木を切らせてもらった。雑木林ではメジャーな樹種のようだ。
木が裂けた!!
相変わらず下手くそな受け口を作り、チェーンソーで追い口を入れていく。追い口の深さを気にしながら慎重に切り込みを入れていたつもりだったが、その時、目の前でシイの木がはじけた!!
何が起きたのか、状況が把握できなかった。裂けた木は勢いよく斜面を滑り落ちていく。
森林ボランティアグループの先輩の見解では、恐らくこの木は腐っていたのだという。見た目からはそんなこと想像もできなかった。(その後分かったのだが、シイの木は柔らかくて裂けやすい…)
自分より長く生きた木を切る「覚悟」
「木を切る時は覚悟を持って切らないかんぞ」。先輩からそんな言葉をかけられた。
考えてみれば、シイの木だって20年とか30年とかを生きてきた生命体。今回切った木も、32歳の私と同年代ぐらいかそれ以上だったかもしれない。
林業では自分が生きてきた年数よりも長く生きた樹木を伐採することも多いだろう。そんな〝先輩〟を切り倒すのだから覚悟もいるし、もっと真剣に取り組まなければいけない。林業というのは樹木の命をいただく神聖な行為のようにも思えてくる。
この〝事件〟は忘れられない教訓になった。
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