山北町議会12月定例会の一般質問が6、7の両日開かれた。
質問戦の中で、東山北駅周辺地域の人口を2018年度までに1千人増加させることが目標とされた「東山北1000 まちづくり基本計画」(2011年3月策定)について、駅周辺地域の人口はこの10年で増えるどころか873人減少しており、計画は事実上破綻していることが分かった。
遠藤和秀議員の質問に湯川裕司町長ら町執行部が答えた。
町長は〝成果〟強調
「東山北1000 まちづくり基本計画」は、駅周辺地域を「住宅ゾーン」、「商業ゾーン」などに分け、宅地開発や商業施設を誘致することで2018年度までに定住人口1千人の増加を目標と定めた。
しかし、町執行部の答弁によると、東山北駅周辺の岸と向原地区の人口は計画が策定された直後の2011年4月には5885人だったが、今年10月末には5012人となり、873人減少した。
一方、転入者は1243人いたことを明らかにしたが、転出者数については言及しなかった。
遠藤議員が「自然減の影響か?1243人増えているが、差し引くとマイナスになるということか?」と再質問すると担当課長は「その通りでございます」と答えた。
ただ、転入者が1243人も増えているのに人口が873人減っているということは、実数としてはこの10年で2116人減っていることになる。
「山北町統計書」によると、町全体の年間の死者数は200人弱であるため、町人口がこの10年で約2千人減ったのなら話は分かるが、岸、向原の2地区だけで約2千人減っているのであれば転出者数が関係してくるはずだが、そこまで議論は深まらなかった。
湯川町長は、スーパーやドラッグストア誘致のほか、丸山地区宅地分譲地(ヒルズタウン丸山)の28区画が完売したことなどを挙げ「人口だけみると高齢者が亡くなり、移住する方が1200人くらい増えている。多分、戸数にすれば増えているんではないかと感じている。今増えている岸、向原地区についてはさらに伸ばしていきたい」と〝成果〟を強調した。
その他の質問
このほか、8人の議員が一般質問に立った。
湯川町長ら町執行部の答弁要旨は以下の通り。
【子育て支援】
来年度から3、4、5歳児の完全給食実施を検討している。小児医療費の助成は山北町がいち早く取り組んだが、今ではそれがスタンダードになりつつある。来年度から放課後児童クラブの負担金(8千円)について、低所得世帯や一人親世帯への減免制度を設けようと検討している。
【期日前投票所の増設】
期日前投票所は役場1カ所でやっている。法律上、役場に設置したら期日中ずっとやらなければならない。三保や清水支所でもできるが、職員が足りず配置できないので困難。
【パートナーシップ制度】
来年4月からパートナーシップ宣誓制度の開始を予定している。宣誓書の交付を受けた人は公営住宅の申し込み、生命保険の受取人指定、携帯電話の家族割りの適用などに利用できる。事実婚も対象になる。制度に対する意見を広く町民から募集するため町のホームページで意見の募集をかけている。
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