神奈川県に情報開示請求したら…コピー代30円払うために437円必要になった話

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神奈川県の各市町村に配分される森林環境譲与税の推移を探るため2021年7月、神奈川県に対して情報開示請求を行った。
筆者は県西部の山北町在住で、開示資料を県庁に取りに行くには電車で片道2時間程度必要となるため郵便での資料送付を希望した。
このとき開示が認められた文書はA4用紙3枚。
費用としては資料のコピー代30円と郵便代ぐらいで済むと思いきや、コピー代を支払うために「為替証書」というものが必要となり、郵便局に437円支払うことになってしまった…。
30円払うのに何で437円支払わなければならないのか??

30円分の切手では駄目…

開示請求は7月8日に県環境農政局緑政部森林再生課に対して実施。
その後、2週間ほどして「行政文書公開決定通知書」が届き、添えられた資料(下の写真)に従って開示文書のコピー代を支払う手続きを郵便局で行った。

資料にはコピー代の支払いについて、「現金書留」か「為替証書」の送付のいずれかの手続きをするように記されていた。

コピー代などの支払い方法が示された資料(赤丸は筆者挿入)

どちらの支払い方法が安く済むのか、郵便局の窓口で尋ねると「現金書留」の方が高くなるとの説明を受け、生まれて初めて「為替証書」というものを使ってみることに。

送金額を聞かれて「30円」と答えると男性職員は少し驚いた表情を浮かべ「437円かかりますが、大丈夫ですか?」と念押しした。

別途437円支払うことを逡巡し、30円分の切手を送付してもいいような気がしたため森林再生課に問い合わせてみたが、当然駄目だった。

「県庁までの電車賃と思えばいいか」と腹をくくり、為替証書を入手して森林再生課に送付した。

しかし、あの437円は本当に必要だったのか、今でも釈然としない。

さらに残念なことに、開示された資料には期待していた内容が記されていなかった。
このため森林再生課に電話で問い合わせて8月に再度開示請求を行い、ようやく求めていた資料を入手することができた。このときは1年ぶりに横浜の実家に帰省する用事があったのでついでに県庁に立ち寄り、資料を受け取った。

一体、あのときの437円は何だったのか…。

手数料無料の自治体も

行政改革」「デジタル化」の言葉をよく耳にする。

しかし、今回の「437円」の件を考えると神奈川県の情報公開制度にとっては「どこ吹く風」といったところか。

情報公開制度に詳しい「かながわ市民オンブズマン」は、為替証書の料金は2007年の郵政民営化に伴い、100円から400円に大幅に引き上げられたとし「この時点で、手数料負担の少ない方法への切り替えを行うべきだった」と指摘する。
また、他の自治体では納入通知書を発行して手数料負担がかからない納付方法をとっているところも少なくなく、埼玉県では電子決済(ペイジ-)も導入しているといい「神奈川県も早期に納付方法の見直しをしてもらいたい」と制度改善を求めている。

9月には「デジタル庁」が発足した。
開示文書のコピー代を電子決済で行えないものかとも思うし、そこまで設備投資しなくても切手で済ませる方法はないのか、とも思う。

高知県民から約10年振りに神奈川県民に復帰して半年ほど経つが、以前とは違う視点で故郷を見ている。
やはり高知の人たちから教えてもらったものは大きかったのだと、再認識している。

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