林業に関心がある人に参加をオススメしたいのが「林業就業支援講習」。
全国各地で開催され、なんと受講料は無料!
20日間と5日間コースがあり、宿泊費(補助あり)と食費、交通費だけの負担で受講できる。
筆者は20日間コースを受講し、チェーンソーと刈払機、バックホーの資格を得ることができた。(自治体によって異なる場合あり)
それだけでなく、実際に木を切る林業体験や木材を加工する製材所などの見学ができ、山の仕事をのぞく絶好の機会となった。(5日間コースでは取得できる資格はない模様)
※この記事は2019年度に筆者が参加した講習を基に書きましたが、2020年4月からは講習の実施主体が変更されているため、内容が異なる場合があります。
注意点:国の事業だから「自伐型」には否定的?
なぜこんなに充実した講習を無料で受けられるのかというと、この講習は厚生労働省委託事業として全国森林組合連合会が各都道府県で開催しているものらしい。(2020年4月からは株式会社エヌアイエスプラスに委託された)
国からの委託事業ということもあり、講師には現在の日本の林業政策に対して否定的な人はいなかった。逆に、現行林業に否定的な立場を取る自伐型林業を批判する講師はいた。
自伐型林業を全国に展開している「自伐型林業推進協議会」と森林組合は対立しているケースが目立つ。
しかし、この講習に参加した筆者からすると、「自伐型 vs 森林組合」といった構図は必要だろうか?と思ってしまった。
チェーンソー講習や林業体験で出会った森林組合の人たちは仕事の魅力を伝えようと熱心に指導してくれた。林業初心者の筆者にとっては、豊富な伐倒スキルを持つ森林組合の作業員の方に教えてもらいたいことは山ほどあった。
一方の森林組合だって設備投資を抑えて収益を上げる自伐型林業の考え方に学ぶべきところは多いと思う。
そもそも、林業という危険な仕事を選んだ人間同士、いがみ合っていても仕方がない。
従事者数4万5千人という小さな業界なのだから互いに高め合う存在になれればいいのに、という気がする。
あくまで「入り口」
話が逸れてしまったが、総じて「林業就業支援講習」は学ぶことが多い。
だが、この講習の内容が実践で通用するというものではない。
筆者は現在、山間部に移住して自伐型林業を習っているが、1本1本違う形の木を切り倒すのに四苦八苦し、師匠にもよく怒られている。
たかだか20日間の講習で林業ができるようになれば誰も苦労しないだろう。
あくまでこの講習会は山の仕事の「入り口」を見るためのもの。
それでも、無料でこれだけの内容が用意されているのは魅力的だと思う。
また、全国各地からさまざまな思いを持って受講する参加者と出会えるのも、もう一つの魅力でもある。
「林業就業支援講習」について詳しくは下記サイトへ↓↓
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